あゝ野麦峠
数ある職歴の中に紡績工場のバイトがある
紡績工場の糸を紡いている機械の、
糸が切れたら入れ直す、とか
糸が一杯になったドラム缶(の様な容器)を別場所に運び、
空のドラム缶容器をセットする
まるで「あゝ野麦峠」(古い日本映画)みたいだ
と思いながらバイトしていた。
しかもそこは、昼間は大学で勉強し夜は工場で働き全寮制でバス送迎付の、まるで昭和初期の「集団就職」の様な事が行われていた。
ますます「あゝ野麦峠」だ!
そのうち事件は起こった。
私は「週に1度、しかも入れない週もある」との約束で就いたのだが、だんだんと「何故毎週入れない?何故休む?」と言われるようになってきた
そのうえ人事担当者に、
「社員達には外の世界の話しをしないで。特に世間一般の時給や給料の話をしないで。」と言われるようになったのだ
ん?
つまり、ここの昼間学生で夜働かされている彼女達は、
リアル「あゝ野麦峠」?
学費を会社が立て替えているとはいえ尋常じゃ無い給料で働かされている?
そうこうするうちに、はじめこそ二人体制だった仕事を人手不足とやらで一人で回さなければならなくなり、トイレに行く時間さえも取れないようなバイトになった。
そのうえ、舞い散るホコリで咳が止まらなくなり、喘息のような不調を起こすようになった。
で、辞めることにしたのだから、
人事に「バイトを辞める」と言ってからが大変。
「ここで見たことは決して口外しない、ここで親しくなった社員(昼間学生で夜働いている彼女達)とも絶対に連絡を取らないと念書を書け」と。
いや、連絡知ってる人とか親しい人とか居ないし
そんなの今まで一度だって書いたことないし、と思って拒否すると
自宅に内容証明郵便が届いた
「念書を書かないのなら法的手段に出る。念書に記入して返送しろ」といった内容の書面が!
無知だったワタシは慌てて書いて送ったけど、その数年後にその会社は倒産したよ。
●●紡績。
そんな事を思い出す「あゝ野麦峠」
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